2017年12月14日木曜日

Blenderで「やり直しの効く」モデリング‘‘- スナップとモデファイアの活用の話

さて 話を冒頭のMaxさんの動画に話を戻します
25分50秒以降 面を対象に「スナップ」をオンにして
ベースとなるオブジェクトの表面に沿うようにポリゴンを作成していっています
5分から14分40秒まではZbrushでのスカルプト 25分50秒までは小物の作成と配置をしていますが
今回の話題にしたいこととは異なるので割愛します
共通の物を配置することで目移りせずに安定感が出るといったことを会場でも話題にしていました


スナップ機能について軽い解説を少々
スナップ機能は磁石アイコンをオンにすると有効になる機能で プルダウンで吸着する対象を選ぶことができます
また 一番右のアイコンを有効にすることで複数選択した場合に個々の要素がそれぞれ面の表面に吸着します
(オフの場合は個々の相対的な位置関係はそのままでスナップ対象に吸着)


面スナップはビュー上で表示されている形状が対象になるため、動画では
  • スナップ対象にしたくない形状を別のレイヤに移して非表示に
  • Shift+Tabの スナップのオンオフのショートカットで切り替え
  • "/"で選択中のオブジェクトのみが表示されるモードに移って形状を確認
等しているようです

モデファイアを使った形状作成
Blenderにもモデファイアという形状のポリゴン等を元に元データを壊すことなく編集を加える機能があります
あまり使い込んでいない人でも 配列複製 再分割曲面(サブデビジョン) アーマチュア のモデファイアを使うことが多いかと思います

Maxさんのメイキングでは
スナップで皮膚に吸着したポリゴンから「厚み付け」モデファイアを付けることで鎧を作っていますね(26分00秒)

別のメイキング動画ですが 非常に勉強になったものをもう一つ

英語でも解説されているところですが
オブジェクトモードでは原点がスナップ対象に吸着するように動いて「面に合わせて回転」がオンになっていると 面の法線に合わせて形状が回転して吸着します

表面に吸着させた後、土台とのつなぎ目を滑らかにするために「シュリンクラップ」モデファイアを活用していますね
シュリンクラップは先に説明した面スナップ機能のように メッシュを指定したオブジェクトの表面に吸着させるモデファイアです
この時 モデファイアに頂点グループを指定して 頂点グループのみが変形対象にでき ウエイトの強度によっては影響度合いを制御できるのを利用しているようです
(2分45秒あたりで影響度合いを設定するウエイトをアサインして 3分50秒から実際のモデファイアの設定)


シュリンクラップモデファイアでのウエイトでの吸着の制御はこんな感じ
例えば画像の円盤状のオブジェクトで 変形対象の頂点グループのウエイトのつけ方次第ではなめらかに接続するような感じにもできるということです

また5分50秒以降では バージョン2.79の新機能の「サーフェイス変形」モデファイアを利用して 曲面に沿わせた形での変形を解説されています

ここまでモデファイアを活用されている動画を参照してきましたが
重要なのは元データを壊さずに形状をモデリングを進められて後からの調整が可能なことです
モデファイアのパネルの「適用」ボタンを押したり オブジェクトメニューの「変換」を実行して 編集結果をメッシュそのものに変更を適用できますが、
適応しなければいくらでもモデルのデータの使いまわしができるということでもあります

サブデビ+シュリンクラップのリトポロジー

ここまでは全体のディテールを作っていく作業でしたが、映像作品等に使ったりするには メッシュを整える「リトポロジー」という作業が必要になります
作業の詳細についてはデータを使う用途によって違ってやり方も千差万別なのですが
BlendXJP会場の動画のみで解説されてた方式が面白かったので最後に書いておきたいと思います

リトポロジーの作業は 先にとりあげた 鎧を作るときのように 面スナップを使って面ポリゴンを作っていくようですが
少ない手間でディテールを転写する方式として 再分割のモデファイアを入れた上でシュリンクラップのモデファイアを入れるというものを紹介されていました
面の流れを考えてメッシュを打っていくと どうしても分岐部分の処理に悩まされることになります
ここの処理を 自分で手で打ってしまうのではなく 多角形ポリゴン(Nゴン)のまま残していて
分割処理できれいなメッシュにしてもらおういということですね


映像作品等の比較的ハイポリゴンでも問題がないという場合に使える手法なものの
非常に面白い考え方だと思います

長々と書いてしまいましたが 何かしらの一助になるようなことがあれば幸いです

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